さまざまなダイエット方法の原理
食べない(食を減らす)
これがダイエットの王道であり、誰もがまず最初に試みる方法です。基本的なことですが、なぜ食べないとやせるのでしょうか? それは体のエネルギーのもとであるブドウ糖が低下していくため、それを補うために脂肪を分解してエネルギーに変えていこうとするシステムが作動するからです。
当然、体についた余分な脂肪分が分解され、エネルギーになっていくので膨らんだ脂肪細胞が小さくなっていき、体がやせていきます。ただし、何も食べないで水だけを飲んでいると、人体に必要な必須アミノ酸やビタミン類も取り入れることができなくなるので体調不良を起こして免疫力が低下し、本当に病気になってしまいます。そこでカロリーを減らしても、ビタミンやミネラル、必須アミノ酸などをとる目的でサプリメントが用意されています。それらをバランスよく含むサプリメント食品が粉末をとかして液体にして飲む食品です。「マイクロダイエット」などがその代表です。
食べても消化されなくする
いくら食べても、それが消化されないのなら便になって出ていくだけです。これも古くから利用されているダイエット方法のひとつで、下剤がそれにあたります。食中毒になって1週間も食べないでいると、とたんにやせますが、これは食べ物が消化吸収されないからです。まあ、食中毒にならないにしても下剤を服用していれば同様に消化率が悪くなるので吸収されるカロリーも減ります。下剤の代表はセンナで、緩下作用のある生薬として古くから使用されてきたマメ科の植物です。ダイエットピルの中にはたいていこれが含まれています。市販されている便秘薬の多くにもこのセンナの主成分であるセンノシドが含まれています。「天然ハーブからのみ作られたダイエットピル」とうたっているものにもこのセンナが含まれていることが多いので、注意して見てください。
また、最近ではもっと強力な消化を阻害する薬が開発されました。炭水化物の消化酵素であるアミラーゼを無効にする薬、脂肪の消化酵素であるリパーゼを無効にする薬などがそうです。これらは消化されないまま便になって出ていきます。当然のことながら食べても太らないわけです。
さらに“恐怖と戦慄の手段”として寄生虫を自分の消化管内で飼うという方法もあります。一時女性週刊誌で話題になったこともあります。その寄生虫は広節裂頭条虫と呼ばれるもので、もともとはサケなどの魚に寄生しています。サケを生で何匹か食べると、結構な確率で感染します。まあ、このような方法はおすすめしませんが、週刊誌によると1カ月で5kg、10kgとやせていくそうで、この方法を選んだ女性の“やせるための執念”には恐ろしいものがあります。
体内の脂肪燃焼を促進するホルモンを活性化させる
肥満ややせに関係するホルモンはたくさんあります。前に述べたエストロゲンという女性ホルモンもそのひとつではあります。なかでも、直接人間のカロリーを代謝させるのに関係するものは甲状腺ホルモンとインスリンです。甲状腺ホルモンは体内でのカロリーを消費させ、代謝を活発にし、体温を上昇させるホルモンです。このホルモンが多く分泌されると基礎代謝(なにもしていないときに消費される代謝カロリー)がアップします。つまりじっとしていても体内のカロリーが燃焼されていきます。なかにはこのホルモンが多く分泌されるバセドウ病というものがあり、この病気にかかった人はみるみるやせていくようです。しかも真冬でも半そででいられるほど体温も上昇します。ダイエットピルには甲状腺を刺激して、甲状腺ホルモンを分泌させようとするものがあります。
まあ、そのようなものを使わずに、単純に、お風呂に入って身体を温めたり、熱い物を飲んで基礎代謝を上げようという試みもなされています。
また、インスリンは最近話題になっているのでご存知の方も多いと思います。インスリンは糖を脂肪に変換させるのに一役買っているホルモンで、このインスリンを分泌させないような食事メニューにしようというものが低インスリンダイエット法というものです。糖尿病の患者さんを治療する食事療法から考案されたダイエット法と言えます。
そして最後に紹介するのが、最近さらに注目株のノルアドレナリン! これについても前に述べましたが、交感神経が高ぶっているとき、人は脂肪を分解してエネルギーに変換し、来るべき闘争のために準備をするのです。そのノルアドレナリンを分泌させることで脂肪を落とさせようというものです。
食欲自体を低下させる
熱烈な恋をしたら食欲が低下したという経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか? またセックスしている最中におなかが減ったと感じる人も少ないと思います。それはそうです。恋やセックスをしているとき、人は脳の視床下部にある満腹中枢というところが刺激され、空腹感を感じなくなるようになっているのです。
人は恋をするとPEA(フェニル・エチル・アミン)なるホルモン物質が出ていて、その快感のために恋におちるという仮説がありますが、実際にこのPEAを服用することにより、満腹中枢が刺激されて食欲が出なくなります。実際にこの薬は医療用にもやせ薬として日本でも使用が認められています。そしてダイエットピルの中に、このPEAが用いられていることが多いようです。
また、眠いときに食欲が増進する人はいませんね。この原理を利用したダイエットピルもあります。それがセロトニンです。セロトニンは眠っているときに多く分泌されるホルモンでこれを多くしてやると食欲が低下します。うつを治療する薬として開発されたものですが、食欲を低下させる作用もあるため、最近ではダイエットピルとして用いられています。
このようにダイエットサプリメントにはいろいろな種類があり、これらの成分を多く含むハーブなどを原料に、いろいろと混ぜ合わせて作られているようです。今挙げたものすべてが確かにダイエットには効果的であるのですが、それなりに副作用があることも知っておかなければなりません。どのダイエットピル(サプリメント)にどのくらいの副作用があるのか気になりますね。ちなみに副作用の度合いは「楽して」やせられるものほど副作用が強く、「苦労して」やせるものほど副作用が弱いと考えていいでしょう。それもそのはず、楽してやせるためには体の消化吸収・代謝などの生体機能バランスを崩してあげるしか方法がなく、この生体機能のバランスが崩れることを副作用というのですから当たり前です。
まずは、ダイエットにはこれらの方法があるということを認識し、自分が今やっている(やろうとしている)ダイエット方法(ダイエットピル)がどのシステムを使ったやせ方なのかを学んでください。














